アルコール依存症と大酒のみの違い
こんにちは。心理カウンセラー佐藤城人です。
今回は、少し自分の自己開示も含めての投稿です。
私自身、元アルコール依存症者です。
32歳の時に精神科に入院、その後35歳になって、初めて本気で酒をやめる決心をしました。
「アルコール依存症と大酒のみの違いは、どこにあるのですか?」
この質問、クライエントさんやそのご家族から、よくいただきます。私は次のように説明しています。
「浴びるほど飲んだ翌朝。仕事があるにもかかわらず、
迎え酒と称し、冷蔵庫の缶ビールを飲んでしまうのは、アルコール依存症。
飲まずに我慢をして、その日の仕事が終わったあと、大いに飲むのは大酒のみ」
このように、アルコール依存症になってしまうと、仕事よりも酒の方が重要となります。
仕事、家族、友人などよりも、すべてにおいて酒が一番大切となってしまいます。
朝から一杯引っ掛けているのですから、仕事でもミスを起こします。
場合によっては、遅刻や欠勤してしまうこともあります。
このような状況は、第三者からみれば、かなり滑稽に見えますし、迷惑を被る人も多いことでしょう。
しかし、本人にしてみれば、「やめたくてもやめられない」
という苦しい状況に陥っているのがほとんどです(依存症を擁護している訳ではありません)
「休肝日はちゃんとありますか?」
酒の問題を訴えるクライエントさんに、私が確認する質問です。
この質問に出てくる休肝日には、2つの意味があります。
①アルコールを分解する肝臓を、休ませることの必要性を説いたもの。
②自分の意志で酒を飲まない日を、設けることの必要性を説いたもの。
①は身体の面から、②はメンタルからの視点です。
依存症は、「コントロール障害」と言われます。
酒であれば飲酒の欲求を、タバコであれば喫煙の欲求を、
薬物であれば薬物への欲求を、それぞれ自分の意志では「コントロールすることができない病」です。
従って休肝日が必要と思っていても、実際には守れていない場合は、
アルコール依存症の恐れがあります(なお、依存症か否か、正式に診断を下すのは医師の範疇です)
また、この「コントロール障害」は、
たとえ原因となる酒・タバコ・薬物などの依存の元を断ち切ったとしても、
数年後再び手を出してしまうと、昔の依存状態に戻ってしまうことが指摘されています。
脳が依存物質から受け取る快楽を記憶しており、その記憶は死ぬまで消えることがないからです。
従って依存症は、『回復はあっても、完治はしない病』でもあります。
「回復を信じてください。完治しない病ではありますが、
やめてしまえば普通の生活を送ることは十分に可能です。
酒をやめて18年経つ私自身が良い例ですから」
不安そうなご家族の皆様に、私が毎回お伝えしていることでもあります。
そして、元経験者としての立場から、クライエントさんやご家族の悩みに寄り添い、
私はカウンセリングを行っています。
「依存症かな?」「依存症をどうにかしたい」などのご相談、承ります。
心理カウンセラー佐藤城人でした。
依存症かと思ったら
アルコール依存症を完全に、乗り越えられた佐藤城人さんは、
薬物依存、アルコール依存、さまざまな依存でお悩みの方のカウンセリングを行っています。
クライエント側がわかるからこそ、心強い味方ですね。
佐藤さんのカウンセリングはこちら http://espoir.jpn.com/