こんにちは。心理カウンセラー佐藤城人です。
前回、「うつに見られる傾向」を投稿しました。
今回は、「進化の過程から見たうつ」についてです。

セミナー風景より
最初に、イメージトレーニングからです。
私たちの祖先が、まだ狩りで獲物を捕らえていた太古の昔をイメージしてください。
アニメ「はじめ人間ギャートルズ」のあの時代です。
そのころ、人間はまだピストルやナイフのような強力な武器も無く、
素手に近い状態でした。無鉄砲に立ち向かったのでは、勝ち目もありません。
生き残るためには、戦って勝つことのほか、戦わずに逃げる選択肢もあったことでしょう。
そのような状況において何が頼りになるかと言うと、「記憶」と「言葉」です。
この動物ならば勝てる。でも、あの獣には勝ち目はなく、逃げた方が良いという記憶。
この木には美味しい果実が実る。しかし、あの木に成る実はまずいという記憶など。
このように、人間は過去の記憶を頼りにし、かつその経験を言葉で他の仲間にも伝えました。
この、言葉による伝達が記憶の共有化となり、脈々と後世にも伝えられることになります。
では、まったく知らない未経験の出来事に遭遇した場合、どのように対処したのでしょうか?
果敢に積極的な行動を取ることと、動かずに消極的な行動を選択することと、
どちらが生存率は高いでしょうか?これはもちろん後者です。
記憶に無い以上、無茶な行動は命を落とす確率が高くなるからです。
新しい場面に遭遇した場合、その状況を悪い方向に考え、それこそ最悪のケースも想定したことでしょう。
私たちの祖先は、好むと好まざるとにかかわらず、『物事を悪い方向に捉える傾向』を身に付けたことがわかります。
それは、死を回避するための必要な選択だったのです。
そして、物事を悪く捉える心の癖は、現代の私たちにも、遺伝子として受け継がれているのです。
「ポジティブシンキングでいこう!」この言葉をよく耳にします。
しかし、頭では理解できても、どうも腑に落ちないと感じる方もいらっしゃるようです。
上述したように、人間は何千年もの長い間、『ネガチィブシンキング』で生き残ってきました。
従って遺伝子レベルでは、物事を回避することを良しとしてしまうのです。
どうやらネガチィブ思考の方が、本来の人間の姿なのかもしれません。
このように考えると、私たち人間は、その進化の過程において、
「うつ」になりやすい思考を身に付けてしまったことが理解できます。
現代社会では、実際に獣に出会う機会はありません。
では、身に付けたネガチィブシンキングは、どのようなときに顔をのぞかせるのでしょうか?
それはやはり、「記憶」と「言葉」においてです。私たちは、過去の経験から未来を予測します。
その結果、まだ起きていないことを、必要以上に不安視したり、どうせだめだろうと諦めてしまったりしがちです。
また、それらを言葉で表現してしまいます。それがうつの傾向を招いてゆくのです。
【選ぶ言葉が心を変えるセミナー】
【選ぶ言葉が心を変えるセミナー】では、その人が多用する言葉に着目します。
例えば
①「明日の試験、落ちたら嫌だな・・」
②「明日の試験、合格したいな♪」
この2つの発言、どちらも試験にパスしたいという心境は同じでしょう。
しかし、どちらがポジティブな言葉使いで、どちらがネガチィブな言葉使い(問題回避の言葉使い)でしょうか?
前回、うつを改善するにあたり、行動から変えることの必要性をお伝えしました。
そして、その行動を変える前提として、その人の「使う言葉」から変えることも必要性です。
「どのような言葉を選べば良いのか?」これをセミナーでお伝えしています。
出張セミナーなどお気軽にご相談ください。
心理カウンセラー佐藤城人でした。
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- 物事を否定的に捉える心のくせ